■ SAAJ会報2016年6月号(第183号)を発行しました。
SAAJ会報2016年6月号(第183号)の全文は、
SAAJ会報2016年6月号(第183号)
からご覧いただけます。
SAAJ会報2016年6月号(第183号)目次
からご覧いただけます。
■ ■ 巻頭言 『身近なAIへの期待』
会員番号 1760 斎藤由紀子(副会長・事務局長)
1960年代に出現したOMR(光学式マークリーダー)のシート設計では、枠サイズや行間隔の制限に加え、読み取り補正のためのタイミングマークによって精度99.99%を実現していました。
また手書き英数カナのOCR領域では機械好みの文字を記載する必要がありました。
1980年代に入り、AIへの関心の高まりの中で、OMR・OCRの販社に属していた私にとって、パターン認識と分岐、学習という処理はAI体験の始まりのひとつでした。
30数年を経て先日、膨大な書類を電子化する必要があり、スキャンした文書をテキスト認識させたところ、斜めに読み込まれたイメージを自動的に水平に直し、罫線や図形と文字を分離し、印刷文字限定とはいえ多様なサイズの漢字も含めた変換の精度の高さにあらためて驚嘆しました。
AIのディープラーニングはビッグデータを基礎として成立し、またコンピュータが囲碁対戦に勝利したと聞くと、ロジックとしては理解できても、身近に感じるには距離がありました。
しかしこのOCRの進歩体験で、AIへの期待がいっきに膨らんでしまったのを我ながら面白く感じています。
巷ではすでに、ヒトの能力の衰えをカバーし、気の利いたサポートをしてくれる「自動運転車」が商用化され、さらに「目的地まで到着する自動運転車」の実現も間近といわれます。
拡大し続ける技術進歩にはいささか警戒しつつも、生活者として、より身近で安全なAI活用を期待しています。